おれたちのhope 〜世界の終わりとマカロニえんぴつ
こんにちは。
皆さまいかがお過ごしでしょうか。
ここ数週間で私たちの生活は一変してしまったように感じます。
未だ全容が見えないウイルスと、増え続ける感染者数。
何をするにもちらつく自粛の二文字。
今私がいるコロンビアでは外出禁止令が出されてから早一週間が経ちました。食料品の買い出し以外は文字通り一歩も家から出ず、誰にも会わない生活を送っています。
元通りになる気配すらない状況で、不安ばかりが募ります。
コロンビアに来てまだ2ヶ月、留学生活は始まったばかりです。まだ何も学べていないのに、何も身につけられていないのに、私はこのまま日本に帰らなければならなくなるのか。はたまた、帰りたくても帰れない状況になってしまうのか。家に篭るだけの留学生活に何の意味があるのか。もしかして、コロナのせいで自分が、自分の大切な人たちが、命を落とすかもしれない。
正直言うと、まあ皆さんそうだと思いますが、コロナ死ね、という気持ちです。お前が自粛しろ。
さて、先日マカロニえんぴつのニューアルバム『hope』が発売されましたね。
hope、希望ですよ。皮肉にもこのタイミングで。まさに終末に着実に近づいているようなこのご時世、今ある希望って、何なんでしょう。
もしわたしが今、あなたの中にあるのは希望ですか?それとも絶望ですか?と問われたら、迷わず絶望だと答えます。世の中の大半の人がそうではないでしょうか。
でも、絶望だけかと言われたらそうじゃない。たしかに希望だってあります。それはもしかしたら確かな未来への展望ではなく幻想かもしれないけれど。
マカロニえんぴつの曲はいつだって、誰かの中に残ったほんの一握りの希望に、そっと光を当ててくれるんです。
光で暗闇を否定するわけではない。そういう部分も含めて、全て肯定してくれる気がします。
だから、説得力があるんです。少しだけ前を向く力を貰えるんです。
マカロニえんぴつはそういうバンドだと思います。
今回のアルバムはまさにそれです。
おれたちのhope。
手を繋いでいたい
手を繋いでいたいのだ
弱さだけを握りしめて居たいのだ
僕らはまだまだ それぞれだけれどね
それでも、それでも
君が好きだ 君が好きだ
マカロニえんぴつが照らしてくれる希望が幻想だって別にいいんです。それで前を向けるなら。その一歩が、新たな希望を生み出します。マカロニえんぴつのこのアルバムが、誰かにとっての希望になるんです。
音楽は物理的に人を救えるわけではありません。
具体的にこんな可能性があるから大丈夫!と言ってくれるような存在でもありません。
でも、確かに私たちは、というか少なくとも私は、音楽がないと生きていけません。
こうしてマカロニえんぴつが照らしてくれる一縷の光に縋ることで、自分のことを、世の中のことを、少しだけ肯定することができます。
絶対的に、救われています。
人の心や感情に直接働きかけられるのって、音楽の強みですよね。
それを最大限に発揮してくれるマカロニえんぴつというバンドが、私はものすごく好きです。
今日もおれたちのhopeを携えて、丁寧に慎重に、生きていくしかないみたいですね。
「hope」 マカロニえんぴつ 2nd Full Album特設サイト